• The企画エルサーチ株式会社

最後のときを私らしく

(2006年9月22日/青森市)

「葬送」について考えることで、これまでの生き方やこれからの生き方とじっくり向き合う時間を持ってほしい…
そんな思いをこめ、“最後の自分らしさ”を考える機会として、「葬送フォーラム2006」を開催しました。

開会セレモニー

 会場は、この日新装オープンした平安閣。
 さわやかな朝の空気の残る午前10時、青森冠婚葬祭互助会の船橋社長のあいさつで、開幕しました。

│「癒しのモニュメント」名称発表

 多数ご応募いただいた中から選ばれた名は「ほっとちゃん」。名づけの親となった小黒さんと、もうちょっとで名づけ親(ほっとさん、ほっとくん)の2名の方に、生みの親・池田海さんの作品がプレゼントされました。

秋の日ざしを浴びて微笑む「ほっとちゃん」

│葬に関する川柳&エッセイコンテスト 

 選者の鶴賀一声さん、小谷みどりさんから、受賞作品が発表され、賞状・記念品が手渡されました。笑顔いっぱいに「小学校の卒業式以来です!!」と受け取った賞状を高く掲げる受賞者もいて、和やかムードの授賞式となりました。

 エッセイの部で特選を受賞した作品「ハロー・グッドバイ」が朗読されました。軽やかな文章ながら、年下の友人との突然の別れを描いた場面では思わず涙ぐみ、あわててハンカチを探す姿があちこちに見受けられました。
 最後に、選者の鶴賀一声さんが受賞したすべての作品について講評すると、手もとの作品集を開いて、改めて読み入る方も。

ドキュメンタリー映画上映

│「私の葬送日記」

 映画の上映には、予想以上に多くの方が足を運んでくださいました。上映が始まるころには、定員150人の会場がほぼいっぱいになるほど。
 ノンフィクション作家・松原惇子さんの体験をありのまま映し出し、「お墓って何? 葬儀って何?」と、見る人の心に問いかける嘘のない作品に、ある人は自分の体験を重ねあわせ、 ある人はこれからの自分の姿を思い浮かべ、それぞれ真剣な表情で見入っていました。

●ちょっと休憩●
 ご来場くださったお客様のために休憩室(2階)には、癒しのモニュメントの原作者・池田海さんの作品を展示、昼休みにはイメージソングを作詞作曲したKENGOさんのライブビデオを上映しました。丸テーブルに並んだおいしい甘食やお菓子を囲んで、ほっと一息、会話が弾んでいました。
 この他、プロカメラマンによる「私らしい“わたし”写真撮影会」や、基調講演の講師・小谷みどりさんの著書「変わるお葬式、消えるお墓」の特別販売、「葬に関する相談コーナー」もにぎわいました。

│アンケート報告

 午後の部は、フォーラムに先がけて実施した「葬送に関するアンケート」の結果報告からスタートしました。
 参加者は、アンケート結果にうなずいたり、配布資料にメモを取ったりしながら、耳を傾けていました。赤裸々な自由記述の内容が紹介されると、会場から思わず共感の笑いがもれる場面もありました。

基調講演&シンポジウム

│基調講演

 「変わるお葬式、消えるお墓」
  講師:小谷みどりさん
(第一生命経済研究所主任研究員)

 葬送問題について多数の著書があり、テレビでも活躍している小谷みどりさんを講師に迎えた基調講演には、女性の姿が目立ちました。
 葬儀の歴史的経緯やデータ、法律にもふれながらのお話で、「自分らしい」死や葬送のあり方、さらには現在の家族やまわりの人との関係、生き方にまで視野を広げることのできた講演会でした。

 自身の体験や身近なエピソードをまじえて話す小谷さんの歯切れのよい語り口には、死や葬送にまつわる暗いイメージはまったく感じられず、思わず引き込まれて、あっという間の1時間でした。
 「葬送の形やしきたりにとらわれず、こだわりすぎず、亡くなった人を偲ぶ“心”を大切に、柔軟に考えてください」との言葉に、参加者のみなさんも納得した表情でした。

│シンポジウム

 「自分らしさを葬から考える」

コーディネーター:
 小谷みどりさん(第一生命経済研究所主任研究員)

パネリスト:
 小黒成子さん(葬に関するプロジェクト委員)
 桜庭由美子さん(青森冠婚葬祭互助会社員)
 蒔苗正子(The企画エルサーチ代表)

 講演会に続いておこなわれたシンポジウムには、立場の異なる3人のパネリストが登場。小谷さんの進行で、「自分らしい葬送」「エンディングノート」「葬プロジェクト委員会」などのテーマについて、それぞれの体験や思いを語りました。

 「参加型」と銘打った今回のシンポジウムでは、パネリストの話とともに、「お葬式の必要性」や「葬儀の形式」「生前葬」「遺影」「葬儀費用」などについて、来聴者のみなさんにもライブでご意見をうかがいました。
 最後の質問「今日のフォーラムに参加してよかったと思いますか?」には、全員がYESと答えて、笑顔のうちに終了しました。

そして、閉会

 最後に、対馬副代表のあいさつで閉会。
 フォーラムについてのアンケートにご回答くださった方には、池田海さんのパッジをさしあげました。
 午前中から約6時間にもわたる長丁場でしたが、多くの方が足を運んでくださいました。ありがとうございました!!

The企画エルサーチは、病気や災害、自死(自殺)で親を亡くした子どもたちを物心両面で支える民間非営利団体「あしなが育英会」の活動を、(株)青森冠婚葬祭互助会とともに応援しています。

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