• The企画エルサーチ株式会社

●● 消費者と生産者の交流会in 中南津軽 ●●

2006年12月15日(金)
主催:中南地域県民局 地域農林水産部 農業振興課

地産地消を進める上で重要な役割を担う産地直売所を運営する生産者や起業グループと、それを利用する消費者の交流会が開催されました。
消費者としてエルサーチの会員13名、生産者・起業グループから14名が参加した交流会のようすをレポートします。

視察

■■農産加工センター「豆の郷」(田舎館村)~大豆の加工から食育活動へ

▲加工品の数々

 「豆の郷」は、JA津軽みなみ女性部加工部会の有志8名が中心となって運営している農産加工施設です。
 豆腐・みそ・おから入りこんにゃくなど地元産大豆の加工品とりんごジュースの受託加工、三升漬や梅干しの加工を行なう他、村内の小・中学校から依頼を受けて「豆腐づくり」の加工実習を行なっています。

 りんごジュースの加工場には、衛生管理と安全面から立ち入ることはできず、入り口から順番にのぞき込むようにして見学しました。

 絞ったりんごは90℃で加熱殺菌し、加工されています。自分でとったりんごを持ち込んでジュースに加工してもらえるので安心だと、利用者にも好評だそうです。

 施設見学の後、隣接する直売所「ふれあい市」に立ち寄りました。実際に加工の現場を見、説明を聞いたばかりとあって、大豆加工品や野菜に次々と手が伸び、レジには長い列ができていました。

◆JA津軽みなみ女性部田舎館支部直売所「ふれあい市」
朝7:00~12:30(夏は6:30~)
年末年始は休業
特に花が人気で、店に並ぶとたちまち完売してしまうそうです。

■■「冬の農業・いちご」(田舎館村・工藤豊さん) ~いちご一筋

 工藤さんが育てている「朝香」は、「形よく、酸味が少なく、香りがよい」のが特徴の大粒のいちご。栃木県の育種元と工藤さんが加わる「田舎館村苺研究会」だけで栽培されている品種です。静電防除機という機械を使って農薬を散布するため、農薬使用量は通常の100分の1程度、肥料は元肥のみ使用で、安心して食べられるいちごづくりに取り組んでいます。

 「冬にいちごを食べたい」という消費者のニーズは高いものの雪国での栽培は難しいこと、その反面、静岡や栃木など国内の他産地では5月ごろ栽培が終了してしまうのが青森では6月下旬ごろまでつくれる、寒いのでいちごの花芽をつくるのには適しているなど、北国ならではのメリットもあるという話に、参加者一同「なるほど」。

■■JA津軽みなみ「りんごパッケージセンター」 (平川市)

 巨大なりんご貯蔵庫の天上近くまで積み上げられた箱にビックリ!! 最盛期には約60万箱が収容可能で、お盆ごろまで貯蔵できるそうです。庫内は一年中0℃に保たれていますが、今の時期は外が寒いので、中に入ってもあまり冷たさを感じませんでした。

 選果施設では、人の目と機械の目でりんごを厳しく選別しています。色・形・大きさなどで等階級分けしたりんごは、内部品質センサーでチェックしてからパッケージセンターへ。

  光センサーで糖度を測定する機械(1台3,000万円!)の前には、たくさんの人だかりができました。

→糖度センサーはコンピューター管理されていて、通過したりんごの糖度がひと目でわかります。

●ご存知でしたか?りんごの等階級●
・等級(色・形などで判断)
 特・特A・秀Aの順に良い。
・階級(大きさ/10キロ詰めダンボールに詰められる玉数)
 32玉(1個330g以上)
 36玉(1個295g)
 40玉(1個260g以上)
 46玉(1個225g以上)

 パッケージセンターでは、ほとんどの過程が機械化されています。処理能力は1時間に800箱、一日最大6,000箱。
 学生時代にりんごの箱詰めのアルバイトをしたことがあるという参加者は「私の時代と全然ちがう!!」と驚きの声をあげていましたが、収穫量に合わせて人手を調整して確保するのは難しく、機械化がコスト低減につながっているという説明に、みんな納得でした。

▲1つずつベルトコンベアに載せて…
▲りんごの載った皿を選別しています。
▲箱詰めも機械化
▲使用済みの箱は熱湯で洗浄

お待ちかね♪ランチタイム

■■尾上の農家グループ「のほほん」のヘルシーランチ (平川市・もてなしロマン館)

 「のほほん」のみなさんは、減農薬などで栽培した地元の食材を使った食事で地産地消を推進したいと、もてなしロマン館のレストランふるさとと連携して毎月1回ヘルシーランチを提供しています。毎回80人ほどのお客さんが訪れ、旅行会社の企画で首都圏から訪れた250名のお客さんをもてなし、好評を得たこともあるそうです。予想以上の評判に「のほほん」のみなさんもうれしいやら驚くやら。
 野菜中心のヘルシーながらボリュームも十分な献立と温かいおもてなしに、おなかも心も大満足のランチでした。 ご馳走さまでした。

●この日のメニュー●
紫黒米のごはん
鶏のしょうが焼き風 サラダ添え(水菜、にんじん、大根)
ヤーコンとにんじんのかき揚げ
いも しん薯風
ポトフカレー風味(カブ、にんじん、ねぎ、キャベツ)
新米のおしるこ
カブの漬物

▲津軽弁のランチョンマットも好評

◆農家グループ「のほほん」のヘルシーランチ
もてなしロマン館・レストランふるさと(平川市猿賀石林10-1 TEL 0172-43-5610)
毎月第1木曜日(1月は休止)
午前11:00~午後2:00(11時~、12時~、13時~の3部制/予約すれば時間調整可能)
前売1,000円(当日1,100円)

生産者との交流会

 おいしいランチの後は、中南地域の産直施設を運営する10団体のみなさんと意見を交換しました。
 消費者が産直施設に求めるもの、改善してほしいこと、生産者についての表示、レジ対応などの接客や価格などについて、それぞれの立場から活発なやりとりがありました。

 立場がちがうことでさまざまな意見が出ましたが、産直施設利用者の本当の思いを吸い上げて評価することが必要という点では、全員が一致しました。
 予定を30分以上オーバーしましたが、とても有意義な交流会でした。みなさん、お疲れさまでした。

★★視察先の皆さま、交流会にご参加の皆さま、お世話になりました。
  そして、「中南地域県民局 地域農林水産部 農業振興課」の皆さま、ご招待ありがとうございました。 ★★

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