• The企画エルサーチ株式会社

●● 藁細工体験講座・ミゴほうきを作ろう ●●

■日 時:2007年11月1日(木)
   13:30~15:00
■場 所:アピオあおもり 1F 工作室
■講 師:稲垣藁の会 新岡 豊子さん 

つがる市を拠点に活動している「稲垣藁の会」の新岡豊子さんを講師に迎え、
藁細工の体験講座を開催しました。
7名が挑戦した“ミゴほうき”作りの様子をレポートします。

藁の香りに包まれて

 会場に入った瞬間、すがすがしい藁の香りに包まれました。参加者のみなさんも口々に「わあ、いい香り!」「懐かしい匂いだね」。
 この日使う藁は、「稲垣藁の会」のみなさんが育てた稲を手刈りしたもので、新米ならぬ「新藁」。品種は「まっしぐら」だそうです。まだ青みが残っていて艶があり、とてもきれいな藁です。手で刈りとると、長く、きれいな藁がとれるというお話でした。

 「最近は“わら焼き”などで邪魔もの扱いされることの多い藁ですが、本来は無駄なところのない、役に立つもの。今日は、藁に触れ、藁の香りをいっぱい吸い込んで、藁の良さを味わってください」と、講師の新岡さんがあいさつして、いよいよ作業が始まりました。

■■ 意外に難しい「ミゴとり」

 今回体験したのは「ミゴほうき」作りです。
  「ミゴ」とは、稲の実(つまりお米)をとった後の穂の部分のことで、まず、ミゴとりをする作業から始めました。節の少し上を押さえながら斜めに引っぱると、ミゴの部分だけがスッと抜けます。はじめのうちは、途中で切れたり、力が入りすぎたりしてなかなかうまくできませんでしたが、コツをつかむとうまくできるようになってきました。
 参加者のみなさんからは、おばあさんに教わって藁ぞうりをつくった子ども時代の思い出や、稲の無農薬栽培に挑戦している話も出て、にぎやかに作業しました。

■■ 「藁」という字は…

ミゴとりが終わった藁。上の藁の写真と比べて見てください。
「藁の会」メンバーでもある、エルサーチの対馬副代表も手伝って…


 作業をしながら、新岡さんに「みなさんは、藁という漢字が書けますか?」と質問され、一同考え込む表情になりましたが、「草かんむりに、高い木と書いて、“藁”。藁は何段階にも使うことができて、木より高い値打ちのあるものということなんです」とのお話に納得!! 「これで、藁という漢字を覚えた」と、さっそく宙に書いてみる人もいました。

■■ 巻き結びに挑戦

 ミゴとりをして穂先をそろえたら、次は束にまとめる作業です。一度引くとゆるまない「巻き結び」という結び方を教えていただきました。

 新岡さんにお手本を見せてもらった後、練習用のひもと棒を使って挑戦してみました。参加者どうし、手元を確認し、新岡さんに何度もやって見せてもらいながら、ひもを巻く向きや、くぐらせる位置などがわかるまでくり返し練習し、自信がついたところで、藁を束ねていきます。
 ゆるまずしっかり結べる巻き結びは、新聞や雑誌を束ねるときやアウトドアなど、いろいろな場面で役立つそうです。

 持ち手になる部分を4~5カ所、色糸を使って束ねると、ぐっとほうきらしくなってきました。

 さらに、穂先を数カ所に分けて束ねていくのですが、穂が曲がったり、横の束に入ってしまったりして、何度もやり直しながら慎重に作業しました。新岡さんも各テーブルを回って、1人ひとりの作業の様子をみながら、ていねいに指導してくださいました。

■■ ミゴほうき完成!!

 穂先の部分を束ねて、MY「ミゴほうき」が完成!! 見本の「藁の会」のほうきとは、ちょっとちがうような気もしますが、それも手作りの楽しさです。
 参加者のみなさんは、さっそくできたてのミゴほうきで机の上に散らかった藁の切りくずを掃き寄せて使い心地を確かめていました。

■■ 最後に

 最後に、それぞれの「マイほうき」を手に、笑顔で記念写真。「香りがいいねえ」「さっそく使おう」と、みなさん満足げな表情でした。
 やさしく指導してくださった新岡さん、ありがとうございました!!

「稲垣藁の会」とは

 新しい藁文化の創造を目指して、2004年4月に発足。現代生活の中に生かせる藁工芸品の創作と藁体験交流を行なっているグループです。「藁の会」の田んぼを持ち、稲藁づくりにも取り組んでいます。

>>「稲垣藁の会」のホームページ

会場に展示された「藁の会」の作品。藁の干支(馬、亥)やおもちゃの他、藁の和紙やブローチ(写真左)など、伝統的な藁工芸とはひと味ちがうおしゃれな作品に、参加者のみなさんも興味しんしんの様子でした。


お米を入れた袋の口を藁で結んだもの。
素敵なアイディアですね。

(reported by Yamamoto)

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