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栄養豊かな陸奥湾が育む新鮮ホタテ
秋田水産
青森県上北郡横浜町
(かみきたぐん・よこはままち)
青森の自然の恵みが流れ込む陸奥湾で
横浜町は、下北半島の中部にある人口約5,000人の町。菜の花の町として知られていますが、陸奥湾に面した町は漁業も盛んで、養殖ホタテの生産は県内有数の規模を誇ります。
秋田水産の秋田聖さん、京子さんは、横浜町鶏沢漁港でホタテの養殖から水揚げ、出荷までを行なっている、仲のよいご夫婦です。
■■栄養豊かな陸奥湾に育まれる青森ホタテ
青森県のホタテ生産量は、北海道に次いで全国第2位。味のよい青森ホタテを育む陸奥湾は、下北・夏泊・津軽の3つの半島に囲まれ、八甲田山系や恐山山地などから流れ込む栄養分が集まっているうえ、水温も低いため、ホタテの養殖に適しているのです。
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■■食卓に届くまでに2年余り
横浜町のホタテ養殖が始まったのは、約40年前。海中につり下げて育てる垂下式養殖が中心です。
養殖作業は、桜の花が咲く4月下旬~5月上旬に採苗器を投入し、海中に漂うホタテの赤ちゃん(幼生)を集めることから始まります。
8月上旬ごろ、採苗器にくっついた稚貝を集めてネットに入れ、海中で育てます。このころの稚貝は、ティースプーン1杯に100個ぐらい入るほどの大きさしかないそうです。これが10月初めには500円玉ぐらいの大きさになるので、かごに分散して再び海中へ。 稚貝の分散とホタテの水揚げが重なるこの時期がいちばん忙しく、朝3時ごろから日が暮れるまで作業が続きます。
← 稚貝の分散作業(10月)
年が明け、稚貝が5~6センチぐらいに成長すると、貝殻に穴を開け、ひもにつないで海中に吊るす「耳吊り」作業が始まります。耳吊りを行なうのは、2~3月の厳寒期。「この時期の作業がいちばんつらい」と、聖さんは言います。
耳吊りされたホタテは海の中で夏を越し、木々の葉が色づく10月上旬ごろから水揚げが始まります。前の年、手のひらに乗っていた稚貝は、ずっしりと大きく成長していました。
青森ホタテのおいしさを全国へ
■■1つずつ自分の手で
水揚げされたホタテは、漁港にある作業小屋の生け簀に入れ、順次出荷されていきます。陸奥湾の栄養をたっぷりとって育ったホタテは、生け簀の中でも元気いっぱい!! ときどきパクッと口を開けたり、プシューッと水を吐きながら泳いだりしていました。
秋田さんのホタテは、注文を受けてから水揚げするため、新鮮で甘みがあると評判です。お歳暮に贈られたことがきっかけでリピーターになる人が多く、全国各地に届けられています。
京子さんは「自分の目の届く範囲で、納得のいくものをお届けしたい」と、出荷するホタテを1つずつ自分の目と手で確かめ、丁寧に箱詰めして発送しています。
■■ホタテのおいしさを活かした加工品づくり
京子さんは、横浜町漁協の女性部・ブルーマリンのみなさんといっしょに、ホタテを使った加工品づくりにも力を入れています。
現在は、自慢のホタテがたっぷり入った「ほたて炊き込みご飯の素」と横浜町特産の菜の花ハチミツを使った「ほたて佃煮」を作っています。もちろん、加工からパック詰め、ラベル貼りまで、すべて手作業です。
ブルーマリンのホタテ加工品2品は、上北・下北地域の7商工会などが設立した「六景楽市」ブランドの認定商品にも選ばれています。
忙しいホタテ生産のかたわら、加工品の試食会を開くなど精力的に活動する京子さんの胸には「横浜ホタテのおいしさを多くの人に味わってほしい」という思いがいっぱい詰まっているようです。
(取材日:2008年10月24日)
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秋田水産では、注文に応じてホタテの地方発送もしています。 ★価格など詳しくは、下記まで。 ●秋田水産 TEL・FAX 0175-78-2997 〒039-4116 青森県上北郡横浜町字中畑1-2 | 秋田水産のホタテは、次のお店で食べることができます。 ●東京都港区 焼肉ガルーバ ●千葉県館山市 和牛の竹林 ●大阪市浪速区 重蔵(しげくら) ●大阪市東淀川区 十割そば花・花 | ブルーマリンの加工品は、横浜町の道の駅「菜の花プラザ」で販売しています。 ●道の駅よこはま 菜の花プラザ >>菜の花プラザ TEL 0175-78-6687 〒039-4134 青森県上北郡横浜町字林ノ脇79-12 |
(reported by Yamamoto)
※情報は取材当時のものです。