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講演とおしゃべり昼食会 in むつ

あなたの思いを形にしよう。
~地域の資源を活用した商品づくり

講 師:河野経営研究所 代表取締役
     中小企業診断士 河野律子さん
日 時:2008年12月5日(金)
          10:30~13:40

会 場:むつ来さまい館(青森県むつ市)


中小企業診断士の河野律子さんを講師に招いて、
地域の資源を生かした商品づくりについてのお話をうかがい、
いっしょに話題のお弁当やデザートをいただきながら歓談しました。
当日の様子をレポートします。

全国各地を飛び回って

 この日の講演会には、下北地域で特産物を使った加工品づくりや産直施設に関わる方を中心に18名が参加。
 講演会は、「どんな人間か知ってもらうと、聞きやすいだろうから」という河野さんの自己紹介から始まりました。
 河野さんは、中小企業診断士。中小企業の経営診断や助言を行なう専門家(国家資格)で、ご自身の事務所を構えて10年、先週は四国、今週は東北…と、文字どおり全国各地を飛び回って活躍されています。
 河野さんの明るく気さくな話しぶりに参加者の緊張も解け、どんどん引き込まれていました。

 河野律子さんのプロフィール 
中小企業診断士、管理栄養士。有限会社河野経営研究所代表取締役。合同会社埼玉・コラボレーション・インスティテュート代表社員。香川県生まれ。東京家政学院大学卒。食品メーカー営業本部にて、販売管理に関する指導や取引先小売店の食品加工の生産管理、衛生管理、販売管理、マネジメントに関する指導を担当した。平成10年、河野経営研究所を設立。農林水産省生活技術研修館講師、家の光協会「農村女性起業講座(強化編)」講師、埼玉県卸売市場審議会委員、埼玉県中小企業振興公社コンサルティングなど多数の要職に就いている。

講演「あなたの思いを形にしよう~地域の資源を活用した商品づくり」

■■ 情報発信(1)ITツールを活用して

 まずは、地域からの情報発信の方法として、ITツールの活用についてのお話。
  インターネットは今や受け手にとっても重要な情報源となっている現状を説明。自身のホームページを例に、「ホームページは、基本情報を伝える内容に」「携帯からでも情報を更新できるブログは、リアルタイムの情報を発信するツールとして有効」と、ホームページとブログの使い分けをアドバイスしました。

■■ 情報発信(2)「誰に」「何を」「どのように」

 情報発信の手段としてよく用いられるチラシについては、「“誰に”“何を”“どのように”伝えたいかを明確にしないと、効果的なチラシは作れない」とし、ただ商品の情報を載せるのではなく、「その商品を作る過程や素材の元の姿など、商品の成り立ちやストーリーが伝わるものを」と話しました。

実際のホームページやチラシを使った説明に、参加者のみなさんの理解も深まったようです。

■■ 「商品を売る」ということ

 続いて、テキストを元に「商品の売り方」「マーケティング」「価格設定」についてのお話を聞きました。
 「固定客=お得意さんだけでは、店は維持できない」と、新規顧客獲得の必要性を説き、看板やチラシなどの販促グッズを有効に使うようアドバイス。また、「期待感と行ってみた結果(実績)がイコールではダメ」と話し、女性に身近な美容院の選び方を例に、「“実績”の部分は、ちょっとしたことで大きく左右される」と、実績が期待を上回るには接客やサービスといった商品の周辺も大切な要素であると説明しました。

 この後、「マーケティング」や「プロダクト・ライフ・サイクル」「販売戦略」といった、ちょっと専門的な内容になりましたが、河野さん自身の経験やスーパーマーケットの実例、身近な商品の裏話など、興味深いエピソードを織り交ぜたお話で、あっという間に予定の時間が過ぎました。
 参加者のみなさんは驚いたり、クスッと笑ったり、うんうんとうなずいてメモをとったりしながら、楽しげに聞き入っていました。
 講演の終わりに、河野さんが「ここでは、キーワードだけお話ししました。 これから自分で勉強していくときの参考にしてください」と話すと、みんな真剣な顔でうなずいていました。

おしゃべり昼食会

■■ お待ちかねのランチタイム♪

 楽しく勉強になるお話を聞いている間に時計は正午を回って、お待ちかねのランチタイムです。
 この日は「おしゃべり昼食会」と題して、話題の品を食べて売れるヒントを考えていただく時間としました。

 食事は、国産のヘルシーな素材を使った料理で人気の「Vege cafe ちゃまま」(青森市)のお弁当。この日の献立は…
★ごはん2種(黒米と餅粟入りごはん/こんにゃくで作ったたらこマヨのせ白米)
★おからこんにゃくのチリソース
★蒸し野菜の南蛮マヨソース
★きくらげとこんにゃくの白和え
★紫花豆の煮豆
★長いも、大根漬、うさぎリンゴ
 おいしく味わうのはもちろん、使われている素材や盛りつけのしかたにも目を配り、隣の人と意見を交わしながら、しっかり勉強していました。

 デザートは、青森を代表するスイーツ「アップルパイ」に「八戸前沖サバ」を組み合わせた「サバップル」と、青森市の洋菓子店「チャンドラ」の新商品「リンゴの生キャラメル」の2品。「サバップル」は、県内の女子高校生が考案し商品化されたものです。
 どちらも、 青森県の特産品を使って作られた新しいスイーツとあって、みなさん興味しんしん。話も盛り上がっていました。

■■ 「強く生きられる気がした」

 食後、参加者のみなさんから1人ずつ感想をうかがいました。その中から、いくつかをご紹介します。
●河野先生のお話がすーっと入ってくる感じ。もっと聞きたかったです。
●先生のお話を聞いて励まされ、強く生きられるような気がしました。
●女性の気持ちをつかむお話で、とてもよかった。
●仕事にすぐに役立ちそう。

 河野さんは「むつ市を初めて訪れたけれど、事前情報とちがって、とてもよいところでした」としたうえで、地元のスーパーで初めて目にする総菜や魚介類があったことを挙げ、「地域の特性を生かした商品があるのはすばらしいこと。食べ方の説明をつけるなど、他から来た人が買いやすい工夫をするともっとよいのでは」と話しました。

 最後に 「そこにしかない、そこでしか買えないものに地域の価値はある。地域全体で情報発信をして、下北地域のよさをもっと多くの人に伝えて」とエールをいただき、会は終了。
 この後、事前申し込みのあったグループの個別相談を行ないました。

 午前中から3時間あまりに及ぶ講座となりました。長時間にわたってご指導くださった河野さん、参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

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