• The企画エルサーチ株式会社

「決め手は、青森県産。」
県産品マーチャンダイジング支援事業・食料産業クラスター展開事業 

平成20年度「売れる商品づくり」成果発表会

■ 日 時:2009年2月9日(月)
     10:30~15:00
■ 会 場:アピオあおもり(青森市)

主催:青森県、(社)青森県ふるさと食品振興会


青森県の「県産品マーチャンダイジング支援事業」の支援を受け、
「売れる商品づくり」に取り組んだ県内の事業者による成果発表会のようすをレポートします。

公開井戸端会議「首都圏消費者が求める商品とは」

■■ 首都圏の消費者登場!!

講師・進行:(有)良品工房 代表 白田典子さん

 買い手・作り手・売り手をつなぐ食品コンサルタントとして全国で活躍する白田典子さんが、首都圏の消費者モニター3名を率いて登場。「首都圏で買ってもらえる商品とは何か」をテーマに、グループインタビュー形式で消費者のホンネに迫りました。

 公開井戸端会議に出品された11の商品(加工品)を前に、「この中でいちぱんに目に留まったのは?」と白田さん。モニターの3人は、それぞれ商品を示し「色と形が目を引いた」「どんな味なのかなと興味がある」「どう使うの?と不思議に思ったから」。
 「じゃあ、パッと見て食べたいと思ったのは?」と尋ねられると、先ほどとは違う商品を指す3人。目に留まることが、“食べたい・買いたい”に直結するわけではない消費者の心理が冒頭から浮き彫りに…。

 一つひとつの商品をじっくり見ていく4人。素材や添加物、食べ方から、パッケージの表示・表現やその商品が何に使われることを想定しているかまで、鋭い指摘が次々と繰り出されます。業者がステージ上で説明したり、会場の業者とステージ上の消費者モニターが意見をやりとりする場面も。商品の「見た目」より、安心・安全を大切に考える消費者の思いも明らかになりました。
 さらに、商品を試食し、味やパッケージの開封のしやすさをチェック。「私ならこんなとき食べたい」「こんな人をターゲットにしたら売れるかも」「パッケージの表現をこう変えては?」…など、さまざまな角度からの意見が出ました。

 予定の1時間半はあっという間。最後に、白田さんから「いろいろな意見が出ましたが、中身はみんなおいしい。ターゲットや販路、ネーミングや販売のタイミングを工夫すれば、もっとよいものになるはず。ここで出た意見を1つでも工夫のヒントにしてください」と声援が送られ、モニターの3人もうなずいていました。
 歯に衣着せぬ意見に、出品業者にとっては、ハラハラドキドキの時間だったかもしれません。でも、有益なアドバイスも多く、消費者の目から自社の商品を見つめ直す貴重な機会となったようです。

商品展示紹介

■■ 試食タイムに「地域連携鍋」

 別室に設けられた商品展示紹介コーナーでは、正午からの1時間、展示商品の試食が行なわれました。
 今年度の「売れる可能性のある商品」に選ばれた商品の他、平成19~20年度の青森県ふるさと食品振興協会事業開発商品や、青森県ふるさと食品コンクール入賞商品の展示・試食も。
 試食コーナーには多くの参加者が足を運び、次々に商品を手にとって、業者の説明を聞いたり質問したりしながら、その味を確かめていました。

 また、県が実施した「決め手塾」(地域特産品ブランド化リーダー育成事業)の参加チームによる「地域連携鍋」のコーナーもあり、多くの人が列をなしていました。地域自慢の特産品がたっぷり入った「連携鍋」には、参加チームの熱意もたっぷり込められていて、心まで温かくなりました。

事業成果発表

■■ 商品づくりの苦労と喜び

コーディネーター:中小企業診断士 新倉 勇さん

 午後は、平成20年度「売れる可能性のある商品」に選定され、商品の開発・改善に取り組んだ事業者による事業成果の発表が行なわれました。
 加工食品、工芸品の各部門と、今年度県が実施した「決め手塾」参加チームから選ばれた4事業者が、商品開発の経緯や取り組み、今後の展開・計画などを報告。「決め手塾」からは、「ふかうら雪人参」「十和田ミネラル野菜」の2チームが取り組みを発表し、それぞれのブランド化プランについて発表しました。

 商品づくりにまつわる苦労や喜び、商品に込める思いを述べる発表内容に、会場の参加者もじっと聞き入っていました。
 各事業者の発表の後には、 売れる商品づくり委員会のメンバーがコメント。「さまざまなアドバイスから、本当に必要なことに耳を傾けて実現していく姿勢がヒット商品につながっている」「商品の質や完成度の高さは十分。丁寧に作って、丁寧に売るシステムづくりを実現して」「地域の産品を通して、地域そのものを活性化することに、ブランド化の本当の意義がある」「数ある“こだわり商品”の中から選んでもらうために、もう少しターゲットを絞り込んでは」など、取り組みの内容やこれからの課題について考えを述べました。

▼ 事例発表の行なわれた商品

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加工食品部門
(株)ディメール
「冷凍押し寿司」
「鯖の冷燻」



工芸品部門
おりづるの会
「あけび蔓、南部裂織、津軽
こぎん刺しのコラボバッグ」

決め手塾

ふかうら雪人参チーム




決め手塾

十和田ミネラル野菜チーム



■■ 地元の人に愛される商品づくりを

 「売れる商品づくり」委員のコメントから。

【商品計画・商品評価/西原昌男さん】自分の持っている素材をよく知り、付加価値を見つけて、たくさんある商品の中から「選ばれる商品」に。また、情報収集は不可欠。どういう商品が売れているか、なぜ選ばれているか、実際に足を運び、自分の目で確かめ、味わってほしい。

【工芸品評価/望月好夫さん】成果発表会で、事業としては一段落したが、実際は支援事業が終わったそのときが本当のスタートと思って、更なる進展を。

【商品評価・販路開拓/白田典子さん】生産者の考える魅力・こだわりが、消費者にとっての魅力・こだわりとは限らない。他の商品と、どこが、どのようにちがうかを消費者に分かりやすく伝える工夫を。

【商品開発/加藤哲也さん】「ブランド化」には、地域の歴史や文化とつながったストーリーが必要。地域の人に愛される商品であることが、多くの消費者の「食べてみたい」につながっていることを忘れないで。

 最後に、コーディネーターの新倉勇さんが「地元の人に、地元の良さを知ってもらうことが、販路拡大につながる」「各コメンテーターのさまざまな助言を自分なりに咀嚼して、新しい商品開発を」と述べて、閉会しました。

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 首都圏消費者による井戸端会議や商品づくりの事例発表、試食タイム・商品展示など充実した内容で、参加者にとっては、たくさんの「おみやげ」を持ち帰ることができた1日となりました。

 「決め手は、青森県産。」マーチャンダイジング支援事業とは 
 青森県が展開する「攻めの農林水産業総合販売プロジェクト」の重点事業の1つで、マーケティングや消費者ニーズを意識した商品の企画から開発・改良、販路開拓までを行なう「売れる商品づくり」を支援する事業です。

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