• The企画エルサーチ株式会社

■期 間:2009年7月21日(火)~23日(木)
 ■場 所:林さんのカシス農園
(青森市)


3日間にわたり、青森市郊外のカシス農園で収穫のお手伝いをしました。
ある1日の様子をレポートします。

青森は日本一のカシス生産地

 カシスは温帯で育つ落葉果樹で、ヨーロッパやニュージーランド北部などで栽培されています。青森県では、夏場も涼しい気候を生かして、約30年前からカシスの栽培が始まりました。現在では、国内生産量の約9割を占めるまでになり、日本一のカシス生産地となっています。

カシス収穫

■■ 山の中のカシス園

 私たちが収穫のお手伝いをしたのは、青森市郊外にある林さんの農園。参加者を乗せた4台の車はどんどん山の中へ。途中からは車1台がようやく通れるほどの砂利道になり、何とかたどり着いた先には、思いがけず一面のカシス畑が広がっていました。
 「こんな山の中に、畑があるなんて!!」。「ウサギやリスが来ることもありますよ」という林さんの言葉に、一同びっくりでした。

■■ 無心に収穫

 「赤いのはダメ。黒く熟した実を摘んで」「表面の皮が破れているものはカゴに入れないで」と林さんに摘み方を教えていただき、さっそく収穫開始。
 カシスの実を見るのは初めてという参加者は、慎重に収穫。前日も参加した人は、慣れた様子でどんどん収穫。1センチほどの実を一粒一粒見ながら、みんな無心に黙々と作業をしていました。

 「カシス」というのはフランス語の名前で、日本語では「黒房すぐり」(または黒すぐり)といいます。枝の下からのぞき込むと、名前のとおり、黒に近い濃紫の実が房になっていました。 ちなみに英語名は「ブラックカラント」。いろいろな名前で呼ばれているのです。

 カシスの木は、高さ1.2メートルほど。腰をかがめて作業していると姿が見えなくなり、まるでかくれんぼをしているよう。 
 時間が経つにつれ、だんだんコツがつかめてくると、「下の方に宝物があるよ!」という声も聞こえてきました。

 1時間あまり作業をしたところで、ちょっと休憩。
 「どのくらい摘んだ?」「こんなにとれたよ!」と、お互いのバケツを見比べる参加者に、「みなさん、お上手ですね~。たくさんとれてます」と、林さんからお褒めの言葉をいただきました。

■■ 皆既日食

 この日は、日本中を騒がせた「皆既日食」の日。
 収穫作業をはじめた頃には雨がぱらつくお天気でしたが、ちょうど休憩時間の頃、空が明るくなってきました。
 何気なく空を見上げると、雲を透かして、欠けたお日さまが見えていました。
 「見て見て、日食!!」「わぁ、ホントに欠けてる!」「見えた、見えた!!」。おおいに盛り上がりましたが、ご覧のとおり、写真はうまく撮れませんでした(残念)。

■■ 「どうやって食べる?」

 休憩後、さらに1時間ほど作業をして、午前中の収穫は終了。
 昼休みには園地に敷いたシートに腰を下ろし、みんなでお昼ごはんを食べました。
 「カシスって、どうやって食べるの?」「やっぱりジャムかな…」「漬け込んでお酒にしてもいいんだって」「私もやってみよう」と、参加者どうしの話も弾んでいました。

 午後からは林さんのご好意で、1時間だけ持ち帰り用のカシスを摘ませていただきました。 他のボランティアの方たちも収穫にやってきて、山あいの畑ににぎやかな声が響きました。
 「一日中蛍光灯の下で仕事をしているから、こうやって外で働くのは気持ちがいい」「また来たいね」。

 その傍らでは「カシスは実り始めると早いので、毎日どんどん摘まないとダメになってしまう。朝から晩まで摘んでも追いつかなくて、どれだけ人手があっても足りないくらい」と、林さん。2日続けて参加した人は「昨日は疲れて早く寝てしまった」。
 … 収穫の大変さがにじみ出る会話でした。

■■ 「黒い真珠みたい」

 ピカピカ黒光りする実を見て、「きれいだね~」「黒い真珠みたい」という声。
  小さな実を一粒一粒手作業で収穫するのは、思ったよりもずっと大変で、生産者のご苦労を思えば、まさに黒い真珠のような価値があるのだと感じました。

 この農園で収穫されたカシスは、生産者のグループ「青森カシスの会」に集められ、 ジャムやジュースなどに加工されて流通するそうです。わずか数時間のお手伝いでしたが、私たちが摘んだ実が姿を変えて、誰かの手元に届くんだ…と思うと、何だかワクワクしました。

 参加者のみなさん、お疲れさまでした。
 林さん、ありがとうございました!!

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