平安閣アネックスオープニングデモンストレーション
■日 時:2009年9月12日(土)・13日(日)
■会 場:平安閣アネックス(青森市堤町2丁目)
青森冠婚葬祭互助会の直営葬儀式場「平安閣アネックス」のオープン記念イベントで、
エルサーチの企画・運営による模擬音楽葬を執り行ないました。
当日の様子をレポートします。
「自分らしい」最後のとき・送られ方とは
「最後のときも自分らしくありたい」…そんな願いを持つ人が増えています。今回の模擬音楽葬は、自分らしい最後のとき・送られ方について思いを巡らす機会にしていただければと考えて企画したものです。
音楽葬とは、故人の好きだった音楽や思い出の曲を聴きながら、在りし日を偲ぶ、新しいスタイルの葬儀です。今回は「出会いを大切にした花子さんを送る音楽葬」をテーマに、60代女性の葬儀という設定で、故人の遺志に基づき有志が主催する、無宗教の葬儀として行ないました。
本番さながらの「模擬音楽葬」
■■ 厳粛な雰囲気に包まれて
雨が降ったり止んだり、あいにくのお天気でしたが、開式時間が近づくと、だんだんと人が集まってきました。
午後1時、バイオリンとピアノの音色が静かに流れる中、暗くなった会場に灯りをともしたキャンドルを手に会葬者が入場。いよいよ開式です。
1人ひとり祭壇の遺影にキャンドルを捧げます。
模擬音楽葬なので、直前に数人の会葬者にお願いして献灯をしていただきましたが、どの方も真剣な表情になっていました。
開式の辞に続いて、会葬者全員で黙祷。
会場全体が静まりかえり、「模擬」とは思えない、厳粛な空気に包まれました。
■■ 思い出の写真と音楽に
大型スクリーンを使って、思い出の写真で故人の人生をふり返る場面では、バイオリンの生演奏を聴きながら、映し出される数々の写真を見ていると、しみじみとした思いが胸に広がって、模擬音楽葬であることを忘れてしまいそうでした。
続いて、故人が好きだったバイオリンが生演奏で献奏されました。
演奏してくださったのは、清水江里子さん。ピアノの矢野吉晴さんとともに、素晴らしい演奏を聴かせてくださいました。
曲目は、「映画“おくりびと”のテーマ」「ふるさと」「千の風になって」の3曲。
美しい音楽をみなさんは静かな、そして真剣な表情で聴き入っていました。いつか来る自分の送られ方に思いを馳せていたのかもしれません。
■■ 思い出の写真と音楽に
会場の一隅には、故人の思い出の品を飾る「メモリアルコーナー」も。
この日の模擬音楽葬の主役=故人の“音楽や映画、旅行が大好きな、おしゃれな60代女性”という設定にちなんで、バイオリンや思い出の映画のパンフレット、音楽CD、旅先の写真などを飾りました。
「これは素敵なアイディアね」「私もこんなふうにしてほしい」と話したり、写真を撮ったりしている人が何人もいました。
■■ 「お別れの言葉」に思わず涙
友人代表のお別れの言葉では、語られる故人への思いに、身近な人とのお別れを思い出したのか、ハンカチで目頭を押さえる人も。
続いて、弔電披露、献花も行なわれました。
花を捧げて手を合わせた会葬者は「親しい人と本当にお別れをしているような気持ちになった」と話していました。
最後に、エルサーチ・蒔苗が演じる発起人代表が音楽葬の趣旨を述べ、会葬者への謝辞の形で、この模擬葬が故人の遺志を託された身近な人の手によって企画されたものであることを説明。自分らしい・新しい葬儀スタイルの提案をしました。
模擬音楽葬に来てくださった方々は、家族で、友人どうしで、あるいは1人で…と様々でしたが、それぞれ、ほんの少しでもご自分の「最後のとき」について考えていただけたなら幸いです。
■■ 斉藤里恵さんの筆講会
模擬音楽葬の後、「筆談ホステス」として有名になった、青森市出身の斉藤里恵さんによる筆講会が行なわれました。
聴覚障害を乗り越え、接客のプロフェッショナルとして活躍する里恵さんの綴る言葉は、会場に詰めかけた大勢の人の心に響いたことでしょう。
2日間限定のエルサーチカフェ
■■ フレッシュハーブも好評
平安閣アネックス2階の法宴ホール「せせらぎ」を会場に、2日間だけのエルサーチカフェを開業。
大西ハーブ農園のフレッシュハーブを使ったお茶とシフォンケーキのセットを100円で提供しました。フレッシュバジルをたっぷり使ったシフォンケーキは、弘前市の「洋菓子工房ノエル」特製、この日だけの限定品です。
会場には、池田海さんの絵もたくさん展示され、和やかな雰囲気でゆったりとお茶を楽しんでいただきました。
「フレッシュハーブティーは初めて。おいしいものだね」「とてもいい香り」と好評で、「このシフォンケーキ、とても美味しいけど、どこで買えるの?」と尋ねる人もありました。
[取材日:2009年9月12日、13日/ヤマモト]