• The企画エルサーチ株式会社

■講 師:料理研究家 髙城 順子さん 
■日 時:2010年10月17日(日)・18日(月)
■会 場:Switch! Station自由が丘(東京都目黒区)

主催:The企画エルサーチ(株)/協力:電気事業連合会


三方を海に囲まれ、冬の寒さが厳しい青森。
でも、そんな環境だからこそ鍛え、育まれる食材の良さ、おいしさを知っていただく
「あおもりの素材を使った料理教室」も6年目を迎えました。
秋の気配が近づいた10月、寒い時期にはより美味しさが増す根菜類を中心に、
今年も料理研究家の髙城順子さんが、素材の良さを生かしたレシピを考えてくださいました。
和風、アジアン、イタリアンに県産品がアレンジされた東京・自由が丘での料理教室の様子をレポートします。

今日のメニューは…

こんな素材を使って

★しじみ(十三漁業協同組合/五所川原市)
★青森シャモロック(大鰐振興/大鰐町)
★おからこんにゃく(カネ久越後屋商店/平川市)
★蒸しホタテ(山神/青森市)
★小カブ(野辺地町農協/野辺地町)
★長芋(蛯沢農園/東北町)
★ミネラルごぼう(JA十和田おいらせ/十和田市)
★ハーブ(大西ハーブ農園/六戸町)
★鯖の冷燻(ディメール/八戸市)
★ホタテエキス(ディメール/八戸市)

▼ この4品を教えていただきました ▼

青森の幸たっぷり かやくおこわカブとサバのエスニック風サラダ
長芋のパンケーキ風シジミともやしの炒め物

▽レシピはこちら
文字をクリックすると、それぞれの作り方がご覧いただけます。

青森の幸たっぷり かやくおこわ

■ 材 料(4人分)
もち米…………………2合
シャモロック…………100g
人参…………………60g
ごぼう………………60g
ゴマ油………………小さじ1
おからこんにゃく……60g

【A】
水……………………1と1/2カップ
鶏ガラスープの素…小さじ1/2
酒……………………大さじ2
しょう油……………大さじ1
塩……………………小さじ1/4
ホタテエキス………小さじ1
ゴマ油………………小さじ1

■ 作り方
1.もち米は洗ってザルにあげておく。

2.人参、ごぼうは7~8cm角に切り、耐熱容器に入れてゴマ油を入れ混ぜ、ラップをして電子レンジ(600W)で1分20秒加熱する。

3.シャモロックは1cm角、おからこんにゃくは7~8cm角に切る。

4.耐熱容器に(1)とAを入れて混ぜ、20分浸す。

5.(4)に(2)(3)を入れ混ぜる。

6.(5)にラップ(又はふた)をして電子レンジ(600W)で約10分加熱する。いったん取り出して全体を混ぜ、ラップをして約5分加熱し、もう一度取り出して混ぜ、白っぽい米があれば、さらにラップをして約1~2分加熱する。ラップ又はふきんをかけ5~6分蒸らし、混ぜる。

7.器に盛り、あれば青みを散らす。

カブとサバのエスニック風サラダ

■ 材 料(4人分)
カブ……………………2~3個
セロリ…………………1/4本
塩………………………小さじ1/2
鯖の冷燻(フィレ)……1枚
レモン汁………………大さじ1/2

【A】
レモン汁………大さじ2
酢………………大さじ1
オリーブ油……大さじ2
塩………………小さじ1/5
こしょう………少々

コリアンダー…………1株
赤玉ネギ………………1/4コ
リーフレタス…………適宜

■ 作り方
1.カブは皮をむいて1cm角に切り、セロリは筋を取り1cm角に切る。合わせて塩をふり、しんなりしたらさっと洗い、ふきんに包んで絞る。

2.鯖は1cm幅に切り、レモン汁をふる。

3.Aを合わせる。赤玉ネギはスライサーで薄切りにし、水にさらして水気を切る。

4.器に(1)を敷き、鯖をのせ、玉ネギ、リーフレタス、コリアンダーを散らし、Aをかける。

長芋のパンケーキ風

■ 材 料(4人分)
長芋…………………………………300g
ハーブ(バジル、チャイブ)……5g
蒸しホタテ(Sサイズ)…………4個
ピザ用チーズ………………………30g
塩……………………………………少々
粗びきこしょう……………………少々
オリーブ油…………………………大さじ1

■ 作り方
1.長芋はよく洗いヒゲ根をこそげ取り、皮ごとすりおろす。

2.(1)にチーズ、粗みじん切りのハーブ、塩、こしょうを入れ混ぜる。ホタテは塩、こしょうをふる。

3.フライパンに油少々を熱し、(2)を1/4量ずつ入れ丸く形を整える。ホタテを1個ずつのせる。

4.まわりが透明になり、焼き色がついたら裏返し、両面をこんがりと焼く。

  ★好みでポン酢やラー油などを添える。

シジミともやしの炒め物

■ 材 料(4人分)
シジミ……………………300g
大豆もやし………………200g
しょうが…………………1/2片
酒…………………………大さじ2
ゴマ油…………………大さじ1/2
塩………………………少々
こしょう………………少々
ナンプラー……………小さじ2
香菜……………………適宜

■ 作り方
1.シジミは砂を吐かせ、殻と殻をこすり合わせてよく洗う。モヤシは根をとる。しょうがはせん切りにする。

2.鍋にゴマ油を熱し、しょうがを炒め、香りが出たらシジミ、大豆もやしを加えて酒を入れ、フタをして約 1分蒸し煮する。

3.貝の口が開いたら、ナンプラー、塩、こしょうで調味する。

4.器に盛り、香菜を散らす。

■■ 収穫の秋を迎えた青森から

 自由が丘で初めて開かれた料理教室には、首都圏にお住まいの女性が合計40人、参加してくださいました。
 はじめに主催者を代表し、The 企画 エルサーチの蒔苗正子代表が「収穫の秋を迎えた青森から、おいしい野菜やお肉、魚介類などを持ってきました。どうぞ楽しんでください」とご挨拶。さあ、楽しい料理教室の始まりです。

いつもとちょっと違う食べ方で

■■ 意外な調理法が次々登場

 「いつもとちょっと違う食べ方ができるメニューを考えました」とおっしゃる髙城さん。興味津々で見つめる参加者の前で、まずは一つひとつの食材について特徴を説明してくださいました。

 「青森のごぼうは春掘りと秋掘りがあり、出荷量が日本一。これから寒くなると、東京に出回るごぼうはほとんど青森県産です」
 「シジミは島根県の宍道湖産が知られていますが、最近は十三湖のシジミのほうが身がふっくらで味もしっかりしていて、おいしいと言われます」
 「宮内庁ご用達のシャモロックはゲージの中で放し飼いにされていて、味わい深く、肉にうまみがあります」

 そして早速、デモンストレーションです。
 野辺地の小カブは肌がきめ細かくて甘味があるのでサバの冷燻と合わせてサラダに、長芋は皮ごとすってからハーブやチーズとまぜてパンケーキのように焼き、シジミは汁ものではなく炒め物で…。
 次々と意外な調理法が紹介されると、参加者の皆さんは身を乗り出して髙城さんの手元に注目していました。

 「ごぼうは表皮と身の間がおいしい部分なので、削りすぎると香りが消えます。たわしや荒いスポンジ、包丁の背で薄く削るだけで大丈夫」「サバなどをそぎ切りにするときは、包丁をちょっと寝せて柄に近い刃の部分から手前に引いて」など、基本的な調理の知識も教えてくださいました。

和やかに実習、そして試食タイム

■■ 作業分担して、いよいよ実習!

 髙城さんの素早い手さばきを思い出しながら、実習のスタートです。
 4つのグループに分かれた皆さんは挨拶を交わした後、段取りを確認しながら分担して調理を進めます。

「長芋のパンケーキは、このくらいでひっくり返していいですか」「小カブは一度水気を絞るんですよね」といった質問が出ると、髙城さんは素早く駆け寄って、進み具合を確認していました。

 時には笑い声も聞こえる和やかな雰囲気の中、スムーズに調理を進める皆さん。
  おこわのごぼう、ハーブやパンケーキの香ばしい匂いが漂ってくると、そろそろ出来上がりの時間。丁寧に盛りつけて実習も終わります。

■■ じっくり味わい、「うーん、美味しい!」

 香りや目で五感も存分に刺激されたところで、いよいよ試食タイムです。
 髙城さんを囲んで一斉に「いただきます」。じっくり味わう皆さんから「うーん、美味しい!」の声が。

 「青森でもシジミが採れるんですね。粒が大きく味もいいので、これからは、多少高くても見つけたら買います!」といった嬉しい言葉があちらでもこちらでも…。
 「昔は十三湖から軽トラックでよく売りに来ていて、お椀1個分のシジミが10円だったんですよ」という青森出身の方のお話でさらに盛り上がる場面もありました。

 「八戸の鯖はクセも少なく味に深みもあって、関鯖よりおいしい」「パンケーキはイタリアンみたい」といった感想の他に、「カブがこんなに甘いなんて。東京で買えないんですか?」という声も聞かれ、青森の食材を気に入ってくださった方が多かったようです。

 髙城さんは最後に「お気に召したものは1週間以内に一度、レシピ通りに作ってみてください。もし鯖が手に入らなければスモークサーモンやゆでダコを使うなど、二度目以降にはご自分でアレンジするのも楽しいと思います」と話されました。

 そして蒔苗代表が「12月には東北新幹線の新青森駅が開業し、青森と東京が近くなります。ぜひ青森にもお越しください!」と挨拶して教室を締めくくりました。

 髙城先生、参加者のみなさん、ありがとうございました!!

[取材日:2010年10月17日・18日/小畑智恵]

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