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2012 青い森の良品発掘
コンペティションフォーラム

2012年11月30日(金)

                                   

 青森グランドホテルにて「2012青い森の良品発掘コンペティションフォーラム」が開催され、参加してきました。
 『市場性の期待できる良品を発掘し、県内企業の商品開発力と販売力、市場化を、改良などの技術支援を通して「売れる商品づくり」を共に進める』という趣旨で行われているこのコンペティションですが、この日は加工食品部門、工芸・工業製品部門それぞれの最優秀賞・優秀賞・入賞の発表・表彰の他に、特別講演も行われました。

2012青い森の良品発掘コンペティション良品発表・表彰式

◆◇ 加工部門 ◇◆

 加工商品部門は、29点の応募商品から外観、品質、社会性、新規性・市場性の4つを基準に選考されました。

最優秀賞優秀賞入賞
「清水森ナンバ
グリーンカレーペースト」

合同会社弦や
(弘前市)

選定理由
味、香りがとてもよく、
売り姿を工夫することで
広がりのある商品。
「鯖ジャーキー」
武輪水産株式会社
(八戸市)

選定理由
味が手頃で、味もおもしろい。
「たまごかけっ粉」
有限会社静岡屋
(八戸市)

選定理由
味も良く、健康志向。

◆◇ 工芸・工業部門 ◇◆

 工芸・工業部門は、16点の応募商品から外観、機能・性能、安全性、社会性、新規性・市場性の5つの項目を審査基準に選考されました。

最優秀賞優秀賞入賞
「燃料電池DMFCセル・DM9」
有限会社ビット・テック
(五所川原市)

選定理由
解組み立てが可能で、
燃料電池の構造を
理解する手立てとなる製品。
「猫ちゃんのおみやげ砂
りんごの木の消臭活性炭」

日本砿研株式会社
(黒石市)

選定理由
青森県の素材を有効活用し、
ペットのお土産を提案した商品。
「shimotai kagu baby spoon 胡桃」
shimotai kagu
(青森市)

選定理由
価格が手ごろで、
かつ未完成品である事が
買い手に新たな価値観を与える。

株式会社キャメル珈琲 エグゼクティブアドバイザー比良木高幸氏より総評とアドバイス

 コンペティションの選考委員長でもいらっしゃる、株式会社キャメル珈琲 エグゼクティブアドバイザーの比良木高幸氏よりそれぞれの商品について総評とアドバイスをいただきました。
 商品の開発について重要な点として、「ビジョン」、「徹底する」、「連想する」、「真似る」、「伝える」、「時代感覚を捉える」、「関係性(かかわり)から発想する」の7つの点について、apple社のスティーブ・ジョブス氏やダイソン社、ナイキ社の元クリエイティブ・ジャイアントだったティンカー・ハットフィールド氏の言葉を交えながら商品づくりについてのポイントを教えていただきました。

サントリー酒類株式会社ビール事業部ブランド戦略部部長 水谷俊彦氏による特別講演

 チャレンジし続けるサントリーのDNA』~オールフリーの後発としての商品開発とマーケティング~の演目で講演がありました。
 ノンアルコールビール市場が中長期で伸長している中で、2009年にキリン社からアルコール0.00%の「キリンフリー」が発売され、後発商品としてサントリー社が発売したのが、アルコール・カロリー・糖質0の「オールフリー」だった。アルコールとカロリーの2つを0にするだけでなく、糖質も加えた3つを0にすることで、商品価値を高めることができたそうです。

 商品の戦略ターゲットは、便利なものは賢く取り入れる、育児も仕事も頑張る女性。働く主婦や女性の方が、子供の送り迎えでの車の運転等、お酒を飲めない場面や制約が多いという理由からだそうです。
 実際のターゲットは女性だが、宣伝のターゲットは男性も含め全てのビール好きな人たちに設定し、テレビCMもごくシンプルな「あれこれで説明しないで、これでいい」という世界観を出したとのこと。
 購入者の特徴は40代、50代の女性、つまり子育て世代の主婦が多く狙い通りとなったが、全体で見ると実際に「オールフリー」を飲んだ経験のある人は少なく、まだまだ飲用経験が少ないという課題も見えてきたそうです。
 さらなる成長に向けて、山登りや商談スペース、ノンアルコールビールビアガーデンの開催などの新しい接点の開拓を行い、他ブランドにはない『日常的に気がねなく飲めるポジティブなノンアルコール飲料』としてブランド提供価値を高めてきたとお話しされていました。

フォーラムに参加して

 「青森は閉塞的で、保守的であまり新しいものを受け入れようとしていない気がする」
と勝手に思っていましたが、
比良木さんの総評やコンペの入賞商品を見て、
青森の素材を活かした、青森だからこそできる商品展開をしていると感じました。
 新しい商品を生み出すにあたって、後発企業というと不利なイメージがありますが、
先発商品のイメージを利用しさらに新しい価値を付ける事ができてヒットさせている実例を聞き、
青森でも全国展開できるような、もっと「売れる商品」が製作・発掘されるといいと思いました。

レポート:工藤

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