• The企画エルサーチ株式会社

●● 売れる商品販売戦略モデル事業成果発表会 ●●

●日時:2007年2月14日(水)
●会場:ホテル青森

●主催:青森県
●後援:(株)青森銀行
    (株)みちのく銀行

青森県の「売れる商品販売戦略モデル事業」を通して、
県産品がお客様の満足できる商品になるように開発された商品と、
開発した県内の事業者の事業成果発表会のようすをレポートします。

●「売れる商品総合販売戦略モデル事業」とは

 この事業は、平成16年に策定された青森県総合販売戦略の基本理念に基づいて展開されている施策の1つで、県産品を「売れる商品」、つまり「お客様に満足して買っていただける商品」にするために、「マーケティング」や「消費者ニーズ」を意識した商品開発・改良を行なうための支援事業です。
 The企画エルサーチでは、県からの委託を受け、「売れる商品消費者評価会(消費者による県産加工品試食会)」を青森と東京の2会場で開催。消費者の視点でさまざまな角度から商品を評価し、開発・改良に向けての意見を集約して提案してきました。実際に、試食会での意見が商品の改善につながった例も多数あります。
エルサーチレポート「売れる商品づくり 消費者評価のための試食会」【The企画エルサーチ】

基調講演

青森県産品に対するマーケティングの必要性について
 ~県産品を「売れる商品」とするための条件~

講師:中小企業診断士  新倉 勇 氏

 最初に、「売れる商品評価会」から見た県産品の現状として、「お客様(消費者・販売者)」の視点で商品がつくられていないという点を指摘。「お客様の視点にたった商品=売れる商品」づくりには何が必要か、マーケティングやマーチャンダイジングなど、商品の開発・流通の基本をわかりやすく説明しながら、具体的に話が進んでいきました。

 商品の作り手には耳の痛い指摘も多々ありましたが、参加者は熱心にメモをとりながら耳を傾けていました。

 最後に、「よいものをつくることだけに満足してはいけない。常に市場の動向に目を配り、今、お客様が喜ぶもの、ほしがっているものは何かをしっかり認識してほしい」と結び、「他の地域で店頭指導しているとき、青森県の商品が並んでいると、とてもうれしい。ぜひがんばって、売れる商品をつくってください」とエールを送っていました。

【新倉 勇 氏のプロフィール】
中小企業基盤整備機構の企業連携支援アドバイザー、商店街活性化アドバイザーとして、全国各地で活躍。青森県では、県内事業者やショッピングセンター、商店街の経営診断や県内卸売業の診断等を手がけている。
■平成17・18年度売れる商品販売戦略モデル事業「売れる商品評価会」委員長
■平成18年度青森県コーディネイト研究会委員長

休憩時間を利用して、試食タイム

 会場内には、平成17年度、18年度に「売れる商品評価会」で「売れる可能性がある」と評価された39商品の展示コーナーが設けられ、実際の商品や資料が並べられました。休憩時間には実際に手にとり、一部は試食することもできました。
 おいしさを味わいながらも、関心のある商品は手にとってラベルや表示を確かめたり、資料を持ち帰る参加者も多数見受けられました。

 また、「あおもりデザイン協会」のブースでは、商品のイメージを大きく左右する「デザインの大切さ」を印象づけられました。

 エルサーチが開催した「試食会」や「キッチン会議」に登場した商品も多数展示されていました。

▲青森県産品のイメージキャラクター「決め手くん」も来場して応援。

覚えていますか? この商品

 平成17年度の「試食会」でみなさんにご意見をいただいた商品(相馬村農業協同組合/りんごと山ぶどうのジュース)が、こんなにステキに変身していました!!

→「2006あおもり産業デザイン賞」や「第5回あおもりクラフトコンペ」の受賞・入賞作品も展示され、多くの関心を集めていました。

事業成果発表

 モデル事業のうち、「売れる商品づくり応援隊推進費補助金」を利用して「売れる可能性のある商品」と評価された事業者による成果発表が行なわれました。
 発表したのは、工芸品、一次産品、加工食品の各部門から選ばれた4事業者で、商品開発に至る経緯や商品についてのこだわり、工夫した点、苦労話や今後の課題などについて発表しました。各事業者の発表の後には、「売れる商品評価会」のメンバーがコメンテーターとして、それぞれの取り組みについて意見を述べました。

 The企画エルサーチの蒔苗代表は、「売れる商品評価会」加工食品部門オブザーバーの立場から、エルサーチが行なった「試食会」のようすや消費者アンケートの結果にふれながら、同じ商品を見るのにも作る側と消費者とではとらえ方がまったく違うこと、しっかりと消費者の目線で作られている商品は評価が高く、「買いたい」という意見も多いことなどを、具体例を挙げて説明。開発する側は、消費者の求めていることと実際の商品にブレがないかを常に確認し、マーケティングしながらつくってほしいと強調しました。
 また、「売れる商品」であるためには、商品開発の苦労話や名前の由来など「商品の物語」が重要であり、その「物語」が商品の特徴として記憶され、「他の商品とはちがう」と消費者に確信させ、選ばせる力になると話しました。

 他のコメンテーターからは、商品の訴求力、PRポイント・ターゲット設定を明確にすることの重要性、デザインの果たす役割について意見が出されました。
 最後に意見交流の場で、商品の多くは消費者が自分で選ぶセルフ販売になっている現状から、品質はもちろんのこと、商品名やパッケージ、キャッチコピーなどを工夫して、商品そのものに「語りかける力」を持たせること、生産者自身が「自分で商品を育てる」姿勢で臨むことが必要との意見が出され、改めて「売れる商品」づくりの基本=「お客様の目線」で商品づくりをすることを確認して閉会しました。

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