• The企画エルサーチ株式会社

●● 第4回「フランス文化講座&ガレット教室」●●

■日 時:2010年7月10日(土)
   11:00~13:00

■講 師:エコール・モモ 福士 真未さん
■会 場:青森県総合社会教育センター 調理実習室 


7月19日の「食育の日」にちなんで始めた「エルサーチの食塾」も、今年で4回目。
今回は、フランス人の夫ともに青森市で語学教室を主宰する福士真未さんを講師に迎え、
フランス・ブルターニュ地方の生活や文化についてのお話を聞き、
ガレット(そば粉のクレープ)の実習をしました。
当日の様子をレポートします。

フランス文化講座~ブルターニュ地方の生活と文化

 最初に、エルサーチ代表・蒔苗が「今日教えていただくガレットは、そば粉を使った食事用のクレープ。すごくおいしいので、ぜひみなさんにも知ってほしいと思って、今回のテーマに選びました」と挨拶。
 講師の福士真未さんを紹介し、第4回「エルサーチの食塾」が始まりました。

■ 福士真未さんのプロフィール ■

ケベック大学モントリオール校大学院(カナダ)で言語学修士を取得。現在は、フランス人の夫ともに語学教室「エコール・モモ」(青森市大野)を主宰。今春からは青森山田学園の英語講師も務めている。また、昨年公開したエルサーチの「あおもりまるごとLUNCHBOX」で『サバのサンドイッチカシスソース』のレシピを紹介、動画配信サイトYouTubeの人気レシピとなった。
 >> エコール・モモのホームページ

■■ 私たちの知らないフランス「ブルターニュ」

 前半は「フランス文化講座」と題して、ブルターニュ地方の生活や文化についてのお話を聞きました。
 フランス北西部、パリのずっと西方に位置し、三方を海に囲まれたブルターニュ地方は海峡をはさんで向かい合うイギリス文化の影響が色濃く残り、フランス全土から見ると、人・ことば・文化が大きく異なります。
 金髪で青い目の人が多いフランス中央部に比べ、小柄で黒い髪のケルト系の人が多く、もともとはブルトン語というまったくちがう言語が話されていたそうです。
 日本でよく知られている観光地モン・サン・ミッシェルや、世界史の教科書に出てくるナントも、ブルターニュにあります。

ブルターニュ州の旗

 一般的に抱く「フランス」のイメージとはちょっと違うブルターニュに、みなさん興味しんしんの様子。
 良質の塩が採れるブルターニュが、日本で大人気の「塩キャラメル」発祥の地だと聞いて、「そのお店にはどうやって行けばいいの?」という質問も。
 また、寒い地方なので小麦の代わりにそばを育て代用としていること、りんごの栽培が盛んなことなど、青森県との意外な共通点もあり、ぐっと距離が近づいたような気がしました。

 「ブルターニュでは、パリとはまったく違う文化に触れることができます。機会があれば、ぜひ訪れて!!」という福士さんのことばに、「行ってみたいね~」と参加者のみなさん。行ったことのない土地への思いがふくらむひとときでした。

■■ いきなりフランス語教室!?

 「せっかくなので、フランス語も教えて」というリクエストにこたえて、フランス語教室(?)も。
 まずは、あいさつのレッスン。「お店に入るときは黙って入らないで、必ず『Bonjour』(こんにちは)と声をかけて。それがフランスでのルールです」と聞いて、「へえ~っ」と驚くみなさん。
 「フランス語は、rの発音がちょっと難しいけれど、津軽弁と似ているから、だいじょうぶですよ」と言われ、みんなで声を合わせて発音練習も。
 他に「Au revoir(さよなら)」 「C’est bon!(おいしい!)」などを習いました。福士さんは発音が専門というだけあって、とても上手に教えてくださり、参加者からは「これでフランスに行けるかも!?」と弾んだ声も聞かれました。

ガレット教室

■■ YouTubeの人気レシピを再現!!

 後半は、ガレット教室です。
 初めに、昨年、エルサーチの「あおもりまるごとLUNCHBOX」で紹介し、動画配信サイトYouTubeで人気レシピにもなった「サバのサンドイッチ カシスソース」の作り方を実演していただきました。
 「強力粉をまぶすと、サバがカリッと焼き上がります」「フランスパンは斜めに切り込みを入れると、具が転がり出ないで食べやすいですよ」「カシスソースはパンにはさむので、煮詰めて濃くしてください」など、ポイントを説明しながら、手際よく作っていく福士さん。

 参加者のみなさんは、青森特産のサバとカシスの思いがけない出会いにびっくりしながら、人気レシピを覚えて帰ろうと、じっと手元を見つめていました。

>> 「サバのサンドイッチ カシスソース」の作り方

■■ そば粉で作る食事用クレープ「ガレット」

 続いて、ガレットの作り方を教えていただきました。
 ガレットはそば粉で作る、塩味のクレープです。ブルターニュの郷土料理ですが、フランス全土でよく食べられている家庭料理で、夕食にガレットを食べ、食後のデザートに小麦粉で作った甘いクレープを食べる、なんていうこともあるのだとか。
 「ガレットは、そばの栄養分をまるごと食べることができるので、とてもいいと思います」という福士さんのお話を、みんなうなずきながら聞いていました。

 「ガレットは、強火で表面をカリッと焼くのがコツ。ふたはしないで焼きます」「重曹かベーキングパウダーを加えますが、なくても全然かまいません」。
 参加者のみなさんは福士さんのまわりに集まり、手元をのぞき込んでいました。
 ガレットの具は、季節によっていろいろあるそうですが、この日はもっとも親しまれている定番「チーズ、卵、ハム」の作り方を教わりました。この組み合わせは「complet(完璧)」と呼ばれているそうです。

 ひととおりの手順を教えていただいた後、4つのグループに分かれて、いよいよ実習。
 「このくらい混ぜればいいのかな」「火加減は強火だよ」と声をかけ合い、役割分担をして1人2枚のガレットを焼き上げました。
 「うまくひっくり返せるかな、緊張する~」「小麦粉よりも焦げにくい気がするね」という声も聞こえてきました。
 エルサーチのスタッフもチャレンジ!! おいしそうに焼き上がりましたよ。

ガレットの作り方 (Click!!)

■ 材 料(2枚分)
【ガレット生地】
そば粉…1カップ
水…2カップ
卵…1個
塩…ひとつまみ
ベーキングーソーダ(重曹)…小さじ4分の1
★ベーキングパウダーでもよいし、まったく省いてもよい。

【具】
卵…2個
ハム(生ハムを使うとおいしい)
ピザ用チーズ…適量

■ 作り方

1.生地の材料をすべて入れ、なめらかになるまで、グルグルとかき混ぜる。

2.くっつかないタイプのフライパンでバター10グラムを溶かしたら、全体に薄く広がるように生地を流し込む。

3.(2)のまん中に卵を割り入れる。
★このときチーズやハムで土手を作ると、卵が流れず、うまくできます。

4.まん中の卵がのぞくように、生地の四方をたたむ。(好みで)裏返して、もう片面も焼く。

■■ 試食タイム♪

 部屋中に香ばしい匂いがいっぱいに広がって、それぞれおいしそうなガレットができあがりました。いよいよお待ちかねの試食タイムです。
 「卵がうまく焼けてる♪」「焦げ目がカリッと香ばしい!」…あちこちで“おいしい声”が上がっていました。

 りんごの栽培が盛んなブルターニュでは、ガレットを食べるときは必ずシードルを飲むそうです。シードルはりんごを発酵させた発泡酒。陶器のピッチャーやカフェオレボウルなどに注いで飲むのが現地流です。
 また、ブルターニュにはたくさんあるという「クレープリー」と呼ばれるガレット専門店、かわいいカフェ風の店の写真を見て、思わず「 いつか行ってみたいなあ」。
 素敵な店構えに、ガレットにシードル…憧れが広がりますね。

 試食タイムでは、エルサーチが6月に販売を開始した「ベリーベリー米粉パン」も試食していただき、新商品のPRをしました。「もっちりしておいしい」「ブルーベリーがたっぷり入ってる!!」と好評でした。


 ブルターニュの文化を知り、フランスの新しい側面にふれることのできた講座に、参加者のみなさんも満足気な表情で会場を後にしていました。
 そば粉にりんごに、言葉の発音…青森県との共通点も見つかり、親しみを感じた人も多かったようです。

 福士さん、ありがとうございました!!

[取材日:2010年7月10日/ヤマモト]

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